番外編3 3年2か月たった今も、自分に問い続けていること

番外編3

● 「なぜ疑わなかったのか」、その問いだけは今も終わっていません

ロマンス詐欺の被害に遭ってから、3年2か月が過ぎました。

時間がたてば、少しずつ忘れられる。
傷も薄れていく。

そんなふうに思っていました。

確かに生活は戻りました。
仕事も続けています。
休日にはできるだけ身体を動かし、汗を流し、夫婦で穏やかな時間を過ごせるようにもなりました。

それでも、心の奥には消えない問いがあります。

「なぜ、私は疑わなかったのだろう。」

これが、今でも私を苦しめています。

私は、自分では慎重な性格だと思っていました。

大きな買い物をするときも、仕事でも、何事も確認してから行動するタイプでした。

それなのに、ロマンス詐欺では、その慎重さがどこかへ消えてしまいました。

私は16回も、言われるままに個人口座へお金を振り込みました。

今の自分なら、最初の一回で立ち止まるでしょう。

「なぜ会社名義ではなく個人口座なのか。」
「本当に証券会社なのか。」
「なぜ疑わなかったのか。」

そう思います。

しかし、当時の私は、その疑問を持てませんでした。

今振り返れば、相手は巧妙でした。

登場人物は3人だけでした。

香港在住という女性。

北京在住という、その女性の叔父で著名な経済学者。

そして証券会社の担当者。

それぞれが役割を分担し、一つの物語を作り上げていました。

私は、その物語を信じてしまったのです。

もちろん、最終的にお金を振り込んだのは私自身です。

その責任から逃げるつもりはありません。

だからこそ、「なぜ疑わなかったのか」という問いは、今も私の中に残っています。

このブログを書き続けてきた理由も、そこにあります。

もし、私と同じように「自分は慎重だから大丈夫」と思っている人がいるなら、ぜひ一度立ち止まってください。

ロマンス詐欺は、不注意な人だけが騙される犯罪ではありません。

信頼、恋愛感情、権威、そして「今やめたら損をする」という心理を巧みに利用する犯罪です。

私は、そのことを身をもって知りました。

3年2か月たった今でも、答えは見つかっていません。

それでも、この問いを書き残すことには意味があると思っています。

この記事を読んだ誰かが、振り込む前に一度だけ立ち止まってくれる。

それだけで、私が経験した苦しみは、少しだけ誰かの役に立つのかもしれません。

それが、今の私の願いです。

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