LINEでのやり取りが続く中で、相手はさまざまなものを送ってきました。
自分の写真。
友人と一緒に写っている写真。
職場の様子だという写真。
どれも自然で、疑うような印象はありませんでした。
見た目も整った、いわゆる美形の女性でした。
今思えば、恋愛感情があったわけではないと思います。
ただ、それでも私はこのやり取りを
妻に話すことはありませんでした。
どこか後ろめたい気持ちがあったのだと思います。
やがて、相手の叔父だという人物とも
LINEでやり取りをするようになりました。
その叔父は、中国・北京に住む著名な経済学者だと聞いていました。
実際にやり取りをしてみると、
とても丁寧で落ち着いた印象の人物でした。
その叔父から、投資についての話が出てきました。
MT5という取引アプリを使った、金相場の売買です。
相場の見方やタイミングについても説明があり、
実際に指示された通りに取引を行うと、
不思議なほど、結果が出ているように見えました。
その日の取引結果は、香港の女性と共有していました。
「今日は良かったですね」
そんなやり取りをしながら、私は満足感を感じていました。
その時、私は思っていました。
「さすが経済学者だ。やはり違う」
完全に信じてしまっていたのです。
しかし、今思えばそれは
すべて用意されたものだったのだと思います。
しばらくすると、こんな話が出てきました。
「これから金相場に大きな波が来る」
そして、その波に乗るためには
「50万ドルが必要」
だと言われました。
私は、その話を信じてしまいました。
そして「何とかしてお金を用意しなければ」と考えるようになっていきました。
今振り返ると、
ここが大きな分かれ道だったのだと思います。
結果的に、私は家を売ることはありませんでした。
それだけは、本当に救いだったと思っています。
しかしこの時すでに、
私は深く入り込んでしまっていました。
そしてこの後、さらに状況は進んでいくことになります。
第3話(後編)おわり
第4話(前編)につづく

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