第9話(前編)

第9話前編 警察への被害届 淡々と進む

警察への被害届ー淡々と進む現実

詐欺だと分かったあと、
私は弁護士に依頼し、それとほぼ同じ時期に警察へ相談しました。

向かったのは、地元の警察署です。

最初に対応してくれたのは2名。
その後は1名の担当者が継続して対応する形になりました。

おそらく刑事の方だったと思います。
制服ではなく、私服でした。


最初の相談では、
これまでの経緯を口頭で説明しました。

正直に言うと、
「親身に寄り添ってくれる」というよりは、
淡々と事実を確認していく、そんな印象でした。

そして、その中で
ひとつ、忘れられない言葉がありました。


「そもそも、そんな大金はどこから出てきたのか?」


一瞬、言葉に詰まりました。

責められているわけではない。
ただの確認だと分かっていても、
胸の奥に何かが刺さるような感覚がありました。


私は特別な人間ではありません。

転職は経験しましたが、
恵まれた職場で、
ただひたすら地道に働き、コツコツと貯めてきたお金でした。


それでも、
その金額は「普通ではない」と受け止められたのだと思います。

ここで改めて、
自分が失ったものの大きさを突きつけられました。


警察からは、いくつかの指示がありました。

・振り込んだ口座情報の提出
・LINEのやり取りの提出
・証拠となる資料の整理

さらに、
「口座凍結の手続きを進める」と説明がありました。


私はすでに弁護士に依頼していたため、
金融機関への凍結依頼は進んでいるはずだと伝えました。

それでも警察としても、
別ルートで凍結依頼をかけるとのことでした。


この時、私はまだどこかで
「もしかしたら取り戻せるかもしれない」
そんな淡い期待を持っていたと思います。


しかし現実は、
そんなに甘いものではありませんでした。


後編では、提出した資料と警察の対応、
そして被害届が形になっていく過程についてお話しします。

第9話(前編)おわり
   (後編)へ続く

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