第17話 なぜ気づけなかったのか

なぜ気づけなかったのか

― すべてを振り返って分かったこと ―

「なぜ、あのとき気づけなかったのか」

この問いは、今でも何度も頭に浮かびます。

おかしいと思う場面は、確かにありました。
それでも私は――
最後まで信じてしまいました。


■ 違和感は、ちゃんとあった

正直に言うと、違和感はありました。

「少し話がうますぎるな」
「こんなにうまくいくのか?」

そう思う瞬間は、何度もありました。

でもそのたびに、

「考えすぎかもしれない」
そうやって、自分で打ち消していました。

今思えば――
気づいていなかったのではなく、無視していたのだと思います。

むしろ、
「なんて自分はラッキーなんだ」
そう考えていました。

今思えば、それが一番危険な状態だったのかもしれません。


■ 「信じたい」が強かった

もう一つ大きかったのは、これです。

疑うよりも、信じていたかった。

ここまでのやり取りや時間を、
無駄だったと思いたくなかったのだと思います。

だから私は、

「大丈夫な理由」を探し続けていました。


■ 誰にも話さなかった

これも大きかったです。

私は、このことを誰にも話しませんでした。

恥ずかしさもありましたし、
自分で何とかしようと思っていました。

でも今なら思います。

誰かに一言でも話していたら――
止めてもらえたかもしれないと。


■ 知らなかったという現実

当時の私は、ロマンス詐欺についてほとんど知識がありませんでした。

そのため、

「よくある手口」だということにも気づけず、
危険なサインも見逃していました。

知っているかどうかで、
こんなにも違うのかと感じています。


■ 今振り返って思うこと

あのときの自分を振り返ると、

特別に判断が弱かったとは思いません。

むしろ――
普通に考えて、普通に行動していたつもりでした。

だからこそ怖いのだと思います。

同じ状況になれば、
誰でも同じようになる可能性があるということを。


■ 今、同じように悩んでいる人へ

もし今、

「少しおかしいかもしれない」

そう感じているなら、
その感覚は大切にしてほしいと思います。

そしてできれば、
一人で抱え込まないでください。

誰かに話すことで、
見えるものが変わることがあります。


■ 最後に

この経験を、なかったことにはできません。

でも――
これを書いている今は、

同じ思いをする人が、少しでも減ってほしい。
そう思っています。

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