第8話(後半)「弁護士と二次被害」

第8話後編 弁護士と二次被害

しばらくして、弁護士から書類が届きました。

「委託契約書が2部」

しかし――
私はその契約書に署名しませんでした。
そして、送り返すこともしませんでした。

心のどこかで、違和感が大きくなっていたのです。

私は決断しました。

「解約して、返金してください」

すると――
しばらくして、返ってきたのは

わずか8万円。

50万円支払って、戻ってきたのは8万円だけでした。

私は納得できませんでした。

「これまでに、どんな調査をしたのか?」
そう問いただしました。

後日、送られてきたのは――

たった1枚の資料。

そこには、海外の証券会社と思われる
ドメイン情報が記載されているだけでした。

それを見た瞬間、私は理解しました。

「何も調査されていない」

あるいは――
「調査しても意味のない内容だった」

そして、弁護士から最後に告げられました。

「返金はしました。今後は連絡しないでください」

さらに――

これまでのやり取りについては
守秘義務を守ること

その覚書まで取り交わされました。


その時、私はようやく気づきました。

最初の詐欺でお金を失い――
助けを求めた先でも、お金を失った。

これは「二次被害」だったのです。


■読者の方へ

詐欺に遭った直後――
人は「取り戻したい」と強く思います。

そして、その気持ちにつけ込む存在がいます。

・「すぐに取り戻せる」
・「今すぐ動かないと間に合わない」
・「費用は後からでもいい」

そう言われたときは、必ず立ち止まってください。

■弁護士の正体が明かされた

依頼した弁護士は、東京弁護士会に所属していました。

その後、私はこの弁護士について調べ続けました。

すると――
東京弁護士会の公式ホームページに、次のようなお知らせが掲載されているのを見つけました。

2025年12月17日付のお知らせ

そこには、

「詐欺の被告人となっていた刑事事件判決の確定により、
2025年11月21日付で弁護士法第17条第1号の規定により弁護士名簿登録取消しとなりました。」

と記載されていました。


この一文を読んだ瞬間、私は言葉を失いました。

自分が依頼していた相手が、詐欺で処分されていた。

「私は、“助けを求めた相手”にも騙されていたのです。」

第8話(後編)終わり
第9話に続く

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