しばらくして、弁護士から書類が届きました。
「委託契約書が2部」
しかし――
私はその契約書に署名しませんでした。
そして、送り返すこともしませんでした。
心のどこかで、違和感が大きくなっていたのです。
私は決断しました。
「解約して、返金してください」
すると――
しばらくして、返ってきたのは
わずか8万円。
50万円支払って、戻ってきたのは8万円だけでした。
私は納得できませんでした。
「これまでに、どんな調査をしたのか?」
そう問いただしました。
後日、送られてきたのは――
たった1枚の資料。
そこには、海外の証券会社と思われる
ドメイン情報が記載されているだけでした。
それを見た瞬間、私は理解しました。
「何も調査されていない」
あるいは――
「調査しても意味のない内容だった」
そして、弁護士から最後に告げられました。
「返金はしました。今後は連絡しないでください」
さらに――
これまでのやり取りについては
守秘義務を守ること
その覚書まで取り交わされました。
その時、私はようやく気づきました。
最初の詐欺でお金を失い――
助けを求めた先でも、お金を失った。
これは「二次被害」だったのです。
■読者の方へ
詐欺に遭った直後――
人は「取り戻したい」と強く思います。
そして、その気持ちにつけ込む存在がいます。
・「すぐに取り戻せる」
・「今すぐ動かないと間に合わない」
・「費用は後からでもいい」
そう言われたときは、必ず立ち止まってください。
■弁護士の正体が明かされた
依頼した弁護士は、東京弁護士会に所属していました。
その後、私はこの弁護士について調べ続けました。
すると――
東京弁護士会の公式ホームページに、次のようなお知らせが掲載されているのを見つけました。
2025年12月17日付のお知らせ
そこには、
「詐欺の被告人となっていた刑事事件判決の確定により、
2025年11月21日付で弁護士法第17条第1号の規定により弁護士名簿登録取消しとなりました。」
と記載されていました。
この一文を読んだ瞬間、私は言葉を失いました。
自分が依頼していた相手が、詐欺で処分されていた。
「私は、“助けを求めた相手”にも騙されていたのです。」
第8話(後編)終わり
第9話に続く

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