ロマンス詐欺の裏側 ―
なぜ、あそこまで信じてしまったのか。
今振り返ると、偶然ではなかったと思います。
あの流れは、最初からどこか“出来すぎていた”からです。
第14話で「なぜ信じてしまうのか」
第15話で「なぜ引き返せなくなるのか」を書きました。
そして今はっきり思うのは――
私は、信じさせられていたのだということです。
■ 「話が合う」という安心感
最初に感じたのは、「この人、話が合うな」という感覚でした。
やり取りをしていても違和感がなくて、
むしろ「分かってくれる人だな」と感じていました。
過去の話をすれば共感してくれるし、
少し弱音を見せると、優しい言葉が返ってくる。
その積み重ねで、気づけば私は――
すっかり心を開いていました。
■ 「あなただけ」と言われたとき
やり取りが続くうちに、こんな言葉が増えていきました。
「あなたにだけ話している」
「こんなに話せる人はいない」
その言葉を聞いたとき、正直うれしかったのを覚えています。
特別に見られている。
そう感じると、人は疑うことが難しくなります。
今なら分かります。
あのとき私は――
疑えない状態に入っていたのだと思います。
■ 不安になったとき、必ず支えてくれた
順調だった流れの中で、突然トラブルの話が出てきました。
お金が引き出せない。
手続きに問題がある。
「どうしよう」と不安になると、
すぐにこう言われました。
「大丈夫、一緒に解決しよう」
その言葉に、何度も救われた気がしました。
でも振り返ると――
不安と安心を繰り返されていたのだと思います。
■ 考える時間がなかった
今思うと、一番大きかったのはこれです。
とにかく、急がされていました。
「今日中に必要」
「今やらないと間に合わない」
そう言われるたびに、
落ち着いて考える余裕がなくなっていきました。
そして最後には、
「やるしかない」
そう思い込んでいました。
■ 振り返って気づいたこと
すべてが終わってから、やっと見えてきました。
・最初に安心させる
・特別だと思わせる
・不安にさせる
・急がせる
この流れが、ずっと続いていたことに。
当時は気づきませんでしたが、
あれは一つひとつが繋がっていたのだと思います。
■ これは他人事ではない
今なら冷静に見えます。
でもあのときの自分に、同じことを言っても、
きっと信じなかったと思います。
それくらい、自然に入り込んでくるものです。
だからこそ――
これは特別な話ではないと思っています。
■ 次回予告
では、なぜそのとき気づけなかったのか。
違和感はあったはずなのに、
なぜ最後まで信じてしまったのか。
次回は――
「なぜ気づけなかったのか」
自分なりに整理してみようと思います。

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