第1話(後編)LINEで始まった会話

詐欺体験記

Facebookのメッセージで何度かやり取りをしたあと、
相手からこう言われました。

「Facebookはあまり使っていないので、LINEで話しませんか?」

特に深く考えることもなく、私はLINEのIDを伝えてしまいました。

今振り返ると、ここが最初の大きな分岐点だったと思います。

LINEに移ってからも、会話はとても自然でした。

朝の挨拶。
昼間の何気ないメッセージ。
夜には「おやすみなさい」。

そんな普通のやり取りが続きました。

相手は自分のことを少しずつ話してくれました。

香港に住んでいること。
日本人と中国人のハーフであること。

母親は日本に住んでいて、音楽教師をしていたという話もありました。

今は一人で暮らしているそうです。

将来は日本に戻り、母親と一緒に暮らしたいとも言っていました。

「日本で生活することになるので、いろいろ教えてほしい」

そんなふうに言われると、私は自然と力になりたいと思ってしまいました。

相手は、中国でピアノを教えているとも話していました。

あるとき、
ピアノの授業の様子だという動画を見せてくれました。

生徒にピアノを教えている場面や、自分でピアノを演奏している動画もありました。

その様子はとても自然で、私は疑うことはありませんでした。

むしろ、

「本当に音楽の先生なんだな」そう思ってしまいました。

さらに、中国での生活の苦労話もありました。

仕事のこと。
生活の大変さ。

その話を聞いているうちに、私は次第に同情するようになっていました。

今思えば、この時点で私はすでに相手を

「ネット上の知らない人」

ではなく、

「少し身近な知り合い」

のように感じ始めていたのかもしれません。

警戒心は、
少しずつ薄れていきました。

しかし、このあと会話の流れは少しずつ変わっていきます。

それが「投資の話」でした。

最初は本当に、さりげない形で出てきました。

第1話(後編)おわり
第2話(前編)に続く

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